無人航空機操縦者技能証明の更新講習を受講しました【更新手続きの流れも解説】

ドローン国家資格「無人航空機操縦者技能証明」の更新講習を受講しました

 代表の笹倉です。先日、無人航空機操縦者技能証明の更新講習を受講してきました。

無人航空機操縦者技能証明とは

ドローンの国家資格である**「無人航空機操縦者技能証明」**は、自動車でいえば運転免許にあたる資格です。国が定める知識や操縦技術、身体基準を満たした操縦者に交付され、安全にドローンを運用するための能力を証明するものです。

技能証明には「一等」と「二等」の2種類があり、二等は、空撮や点検など多くの現場で取得されている基本的な国家資格です。一等ではより高度な知識と操縦技術が求められます。また、補助者を配置しない有人地帯での目視外飛行(レベル4飛行)の前提となる資格でもあります。

一等の実技試験では、「ATTIモード」と呼ばれる飛行状態での操縦が課されます。これは、通常であればGPSや各種センサーが担っている位置保持や姿勢制御の補助が働かない状態です。風が吹けば機体はそのまま流されるため、操縦者は常に機体の動きを読み取りながら細かな操作を続けなければなりません。

この試験は操縦技術を競うためのものではなく、GPSの受信不良やセンサーの異常など、万が一の状況でも安全に機体を制御し、飛行を終えられる能力を確認することを目的としています。

取得から、早くも三年

 コロナ禍を経て、社会がようやく日常を取り戻し始めた頃、撮影事業の新たな可能性を広げるために取得した無人航空機操縦者技能証明も、気が付けば更新の時期を迎えました。

無人航空機操縦者技能証明の更新講習は、国土交通省に登録された「登録更新講習機関(いわゆるスクール)」で受講します。

この更新講習は、技能証明の有効期限の9か月前から受講することができます。ただし、講習を受講しただけで更新手続きが完了するわけではありません。更新講習は、あくまでも技能証明の更新申請を行うための前提条件という位置付けになります。

実際の更新申請は、有効期限の6か月前から1か月前までの期間に行う必要があります。そのため、自動車運転免許のように「講習を受ければその場で更新完了」という仕組みとは大きく異なり、初めて更新を迎える方には少々分かりにくい制度かもしれません。

私も今回が初めての更新だったため、すこしの不安と緊張をもって、有効期限の約3か月前のタイミングで更新講習を受講してきました。自動車の運転免許証とは異なり、有効期限と誕生日がリンクしているのではない点もある種新鮮でした。受講は越谷レイクタウンにある「ドローンスクール越谷レイクタウン」さんにて。本当なら、ライセンス取得時にお世話になったスクールに行きたかったのですが、6月下旬に思い立った時点では、そのスクールはまだ講習機関に登録されておらず、自宅から近いこちらを選びました。

 受講の予約は、ウェブフォームから。二、三度メールにて日程調整を行い、7/24の受講となりました。受講は座学のみと聞き、ほっとしました。
取得時、ATTIモードでの飛行に苦労したことは今でも鮮明に覚えています。更新時にも同じ飛行方法で一定水準を求められるのであれば大変だろうと覚悟していたので、座学のみと聞いた時は本当に安心しました。

予約後に忘れずに行わなければならないこととしては、DIPS(ドローン情報基盤システム2.0)にて、更新講習機関を入力しておく必要があることです。この点は講習機関に申込をすれば、必ず教えてくれるのですが、うっかり先延ばしにしてしまうと、講習そのものを受けることが出来なくなってしまうので、直ぐに行うことをお勧めします。

かくして、7/24の受講当日。スクールはレイクタウンのアウトレット棟の一番新しい北側の二階。お店も兼ねた、ドローン関連の商品も並び、見ているだけでも楽しい空間でした。受講内容は、この3年の間に変わった航空法や教則の改訂内容の学習が主なものでした。7月7日に教則が改訂され、7月14日から新しい運用が始まったばかりだったため、丁度良いタイミングになったと思っています。復習も兼ねて、学習した内容を具体的にふり返りたいと思います。

「無人航空機の飛行の安全に関する教則(第5版)」へ改訂

私が国家資格を取得した2023年当時、教則はまだ第1版でした。それから約3年の間に4回の改訂が行われ、今回の更新講習では最新となる第5版をもとに、この3年間で変わった制度や運用について学びました。

特に印象に残った主な変更点は、次のとおりです。

  • Level3.5飛行という新たな飛行カテゴリーが創設され、一等無人航空機操縦士の活躍の場がさらに広がりました。
  • Level3.5飛行時の第三者賠償責任保険は、実施要件として加入が求められるようになり、安全確保への考え方がより明確になりました。
  • 航空法違反があった場合の刑事・行政・民事それぞれの責任が、より具体的に整理・明文化されました。
  • 令和8年7月14日から、国家資格の学科試験や制度運用は教則第5版に準拠した内容へ変更されました。
  • 重要施設周辺の飛行禁止区域が300mから1,000mへ拡大され、これまで飛行できていた場所でも飛行できなくなる可能性があります。そのため、飛行前にDIPS2.0で飛行可能区域を確認する重要性は、これまで以上に高まっています。

こうして振り返ってみると、国家資格制度が始まったばかりの頃の教則は、「操縦者が知っておくべき基本ルール」をまとめた内容が中心でした。それでも、意外に広く深い法知識を求められましたが、私個人としては法令よりも、ATTIモードでの実技試験の方がはるかに苦労した記憶が鮮明です。

 一方第5版では、制度開始後の実運用や社会情勢の変化を反映し、安全運航のための実践的な内容へと大きく進化しています。

単なる試験対策用の教材ではなく、実際に飛行を行う操縦者のための「運航マニュアル」として成熟してきたことを強く感じました。

座学は、自動車の免許更新時と同様、少しの映像をはさみ、約90分。無事終了しました。

申請は慎重にも慎重を期して、、、

二日後、講習機関から、講習の修了証がPDFで送られてきました。これを、DIPS(ドローン情報基盤システム2.0)の「技能証明取得」メニューから、「有効期間の更新」へ進み、必要なセクションに添付し申請を進めます。

現在、私のDIPS(ドローン情報基盤システム2.0)上での申請状況は「記載内容確認中」となっています。

この確認には通常2〜3日程度とのことですが、繁忙期にはもう少し時間がかかる場合もあるそうです。私の技能証明の有効期限は10月15日なので十分な余裕がありますが、更新手続きは早めに進めることをおすすめします。

実は今回、私自身も一度だけ補正の連絡を受けました。原因はとても単純で、身体適性を証明する健康診断書類の添付を忘れていたことです。ちなみに、機体重量25kg未満限定の資格(私はこれです)であれば、自動車運転免許証の写しで身体適性証明を兼ねることができます。

 このような不備があっても申請自体は進められてしまうため、最後まで安心はできません。余裕を持って手続きを進めておけば、万が一補正が必要になっても慌てることなく対応できます。

確認が完了すると、登録免許税を納付し、新しい技能証明書の交付を待つだけとなります。

 なお、私は幸いにもこの3年間、無事故・無違反だったため通常の更新講習を受講しました。事故や航空法違反など一定の事由に該当する場合には、通常講習ではなく「違反者向け講習」の対象となり、より安全教育に重点を置いた内容の講習を受講することになります。

最新情報にはアンテナを研ぎ澄ましておく事

今回の更新を通じて改めて感じたのは、「資格を取得して終わり」ではなく、安全に飛行を続けるためには、知識を継続的にアップデートしていくことが何より大切だということです。

自動車免許の制度や法令は長い年月をかけて成熟してきましたが、ドローンを取り巻く制度は今もなお発展途上にあり、法令や運用は少しずつ変化を続けています。そのため、資格を持っているだけで安心するのではなく、操縦者自身が最新の情報を積極的に学び続ける姿勢が求められると感じました。

これからも法令や制度の変化にしっかりと目を向け、安全を第一に、ドローンだからこそ実現できる新たな写真表現にも挑戦していきたいと思います。