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モニターの色合わせ編:カラーキャリブレーションの重要性:柿の木坂写真工房のこだわり

2023.01.19

お写真の色に絶対の責任を持っています


私たちが使用するプリンター

柿の木坂写真工房では、製本タイプアルバム以外の全ての写真を自社で印刷しています。プリンターはエプソン社製のPX-5VとおなじくSC-PX5VIIと言う顔料インクを使用するはいアマチュエア、およびプロ向けのタイプとなります。
基本的な構造は一般にインクジェットプリンタと呼ばれるものです。これらのプリンタの特筆する点は、大変に丈夫なことと、プリンタとして最低限必要なYMCKと略されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインクの他に、微細なグラデーションと無限のグレーの階調再現をもたらす2種類のグレーインクや、それぞれ濃淡の異なるマゼンタ、シアン系のインクが追加されることです。さらに、インクの成分が染料ではなく顔料となっているため、乾燥までの時間が早くかつ、変色がほぼ無いため、テストプリントから本番プリントに速やかに取りかかれること、水濡れ、紫外線による褪色に強く、長い年月大切に保管される写真用に非常に向いていることです。一方で、短所はインクコストがやや高いこと、顔料故に、使用頻度が少なければ目詰まりを起こしやすいことです。

いずれにせよ、私どもの規模の写真スタジオではデファクトスタンダードなプリンターとして、位置づけられています。

正しい色再現のために

如何に優れたプリンターで出力された写真も、その色が思い通りの色にプリントされていなくては本末転倒です。そのためには、どうすれば良いでしょうか。

モニターで見た色を出力する事の難しさ

モニターで見える写真が、そのままの色で出力されれば、良い訳です。(* 厳密にはモニターで再現できる色数とペーパー上で再現できる色数が異なるため、完全な一致をすることはありません)どのようにして、それがなされるのかを正しく理解し運用した上でなければ、一度二度、偶然良い色のプリントが出来たとしても、次も正しい色のプリントを得られる保証がありません。それを解決する手段が、カラーマネージメントシステム(CMS)です。

モニター毎に異なる色彩域、コントラスト

スマホやテレビの画面がクリアで鮮やか、と言うCMやコピーを見る機会は多いと思います。確かに昔のテレビに比べ、明らかに色彩は鮮やかになり、明暗比もクッキリしていて黒羽より真っ黒に表現され、真っ白に至る無限に存在するグレーも人の目には判別不可能なほどまで優れて再現されるようになりました。しかし、スマホのモニター一つ取ってもメーカーや製造年、ロット毎に、色が異なることは皆様もお感じなった事があると思います。さらに避けられない経年変化により、同じモニターの色も少しずつ再現域が狭くなるなど、一概に「モニターと同じ色のプリント」というのは、曖昧なものと言うことがご理解頂けると思います

プリンタの持つ色は、モニターより少ない

そして一番問題となるのが、モニターで表現できる色域とプリンタで再現できる色域に大きな開きがあることです。
モニター同士でも、メーカー、機種、製造ロット、製造年によって再現色域は個々に異なりますが、それ以上にモニターとプリンタの色域差の大きさが、モニターで見える色をプリントすることの困難さをもたらします。
しかし、モニターの方が圧倒的にプリンタより広い色域を表現できる点に着目すると、モニターがプリンタの色を包括していると言う事になります。

モニターキャリブレーション

そこで、まずは個々のモニターの制限特性を適正化する事から初めて行きます。モニター上で色は、光の三原色(RGB)から成り立っています。

ごく単純に言えば、R(赤):0,G(緑):0,B(青):0、と言う色の信号をコンピュータから受け取れば、その点は、全ての信号が0(ゼロ)なので、黒という事になります。

同様にR,G,Bが(255 , 255 , 255)である場合には、モニター上の点は真っ白に映ります。RGBそれぞれ256段階の明るさの光で、合計では1677万色の色が再現で切ります。(0の絶対値の暗さ、255値の明るさの絶対値幅の幅が広ければ、256段階よりさらに多くの段階に切り分けることができます。)
ですが、ここでは一般的な256段階のモニターで説明してゆきます。

モニターのキャリブレーションとは、個々のモニターの色を世界標準で定められた基準色とそのモニターで表現している色の差異を計測し、標準化することを言います。時計を合わせると思って頂ければ分かり易いと思います。皆が異なる時間を示す時計をしていたら、出勤時間も、待ち合わせ時間も解らなくなってしまいます。そこで、まずはモニターを世界標準の色に設定(キャリブレーション)してゆきます。

次回は、実際のモニターキャリブレーションについて、レポートさせていただきます。柿の木坂写真工房のやり過ぎなくらいの色管理のこだわりを、是非、お伝えさせてください。

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