LOMOやHOLGAって皆さんご存知だと思います。私も知ってはいたのですが、こういうものの怖さ(笑)を異常に恐れる私としては、今日の日まで手に取る事ができませんでした。
どこまで真面目にこれを作っているのか、それともパロディーなのか?いずれにしても販売元も認める致命的欠陥を持ったカメラである事は疑いなく、完全に私の仕事の用はなさない。しかし暗く分光性能に劣ったプラスティックレンズの醸し出す独特のシュールさ加減はある種の魔力でもあります。
ところでHOLGAとLOMO。何が違うのか?一番は使うフィルムの大きさです。LOMOはいわゆるフツーのフィルムを使いますが、HOLGAは写真館等で使うブローニーのフィルムを使うのです。フィルムの歴史から言えばブローニーの方が先輩です。しかしブローニーフィルムは取り扱いがとても面倒で、なれていないとそれこそ大変な事になってしまいます。写真館がなぜブローニーを使うのかと言えば、フィルムの大きさが大きいと言う事はそれだけ高画質が約束されているからです。翻りカメラの構造において大幅に妥協をしておきながら、画質面で有利なブローニーを使う等、HOLGAなかなか矛盾していてよろしい。と思っていたら、どうもそれだけではなかったらしい。なんとHOLGAがポラロイドのフィルムやフツーのフィルムも使えるのだ。裏蓋が簡単に交換できてそれぞれの専用フォルダーに交換する事で、たちまちポラロイドカメラや35ミリカメラに変身できるのだ。
なるほど、「画質」という点に目をつぶればカメラはこんなに自由なのか!!と改めて感動。逆に言えば、「高画質」とはこれほど大きな犠牲をしいて追求されてきた!という事でしょう。
ともかくデジタルカメラ全盛の今だからこそ、アナログのこうしたカメラっていいと思います。カメラの楽しさ、そして構造、もっと言えばカメラの歴史まで勉強できてしまいます。きっとあと3年もしたらフィルムカメラを見た事もないという人が大半を占めるでしょう。今しかできない事ってたくさんあるけど、文化遺産として「フィルム」は覚えておくといいと思う。
世界で唯一魂を持つカメラ
2006.03.30