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手焼きの環境

Isao

手焼き写真を巡る環境は、年ごとに・・・いや日ごとに厳しさを増しています。去年くらいまでの私の懸念は、「技術者(=手焼き職人)の育成と継承」でしたが、今それ以上に深刻なのは、感材の供給と廃棄物の処理です。フィルムを使うカメラを皆さんは使っていますか?おそらくほとんどの方はデジタルカメラでしょう。私自身プライベートで家族と出かけたりして撮影するときは、フィルムと言うことがもうほとんどありません。街の写真屋さんは加速度的に看板を代えたり廃業・・・なんて言うところも出てきています。それはそうですよね。フィルムも売れない。現像もいらない。プリントは自宅のプリンターでほとんど足りてしまう。と言うご時世。よほどフィルムにこだわりがなければ、誰だってわざわざ写真屋さんに行かなくなってしまいますね。私たちブライダルのプロの間ではまだフィルムが多いのですが、それとて消費量は一般消費者の方々の合計のほんの数パーセントでしょう。
その方の分のフィルムがこの数年でごっそり売れなくなったのです。メーカーとしてはもう新商品を作る意味もないでしょうし、企業理念を燃やしたとしても買う人もいないでしょう。国内ではコニカがフィルムというか写真業自体を撤退し、ドイツ製アグファも撤退しました。今国内でまともに供給されるフィルムはフジと大幅規模縮小を敢行したコダックだけです。その二社もいつ市場を見限るかタイミングを計っていることでしょう。手焼きに関してはさらにペーパーの供給と現像液の確保も大きな課題です。また市場の縮小は、フィルム生産とそれを現像する行程で発生する有害物質の処理業者の経営も当然悪化させ、それが廃液処理の対価の上昇を招き・・・と、フィルムカメラの先行きはなんとも見通しの悪いものになって来ています。
おそらくフィルムから作る色の「純アナログな風合い」はデジタルに置き換えることは出来ないでしょう。ゆえに手焼き写真を求める人は婚礼に関する限り、こちらが供給し続ける限り無くなることはないでしょう。しかし、色々な環境が状況を切迫しつつある状況では、ちかい将来価格の上昇をとめることが困難になると考えます。手焼きが本当の意味でニッチになり、とても手の届かない高額商品になるかもしれません。そうなるとどうなってしまうのか!!

でもご安心。それでもイースターエッグは感材がある限り、手焼きをやめません!!こんな良いものをやめられますか!!

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