帰りの電車はいつもより空いていた。いつもより隣の人との距離にゆとりもあってリラックス。東京メトロから地上に出ると東武線、電車は急行列車になる。チョコチョコと停まらない分、加減速も少ないわけでより楽である。そのリズムが不意に不協和音に変わった。そして静寂が。すこしして車内アナウンス。「置き石があり安全確認のため、しばらくお待ち下さい。」時刻は夜の9:30。全く迷惑な話。いや迷惑どころじゃない。列車事故の悲惨さを知らぬのか?知らずとも想像も出来ないのか?10分弱の停車のあと、走り出した電車はいつもより飛ばしていた。素敵だった車内のリズムは確実にアドレナリンを含んだものに変わっていた。多くの乗客の目の奥に敵意が、少なくは失望があらわれていた。
集団意識の祖先とはこういうものだったのだろうか?
防衛意識
2007.06.18