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エマルジョントランスファー

Isao

アトリエのハッセルを使ってエマルジョントランスファーを作った。ポラロイドフィルムの供給が虫の息の今、でも感性でしかなしえない世界を追求する者は、この写真の世界には居る。いや写真に限らず芸術とはこの世界に成り立っていると言うべきものだから、逆説になってしまう。
どうして私たちはデジタルではなくアナログの世界に惹かれてしまうのだろう?不確定が自然だから?無意識にカオスを求めて?人が知性を見いだしたときから、芸術は存在したと言われている。問題はその実現を許す時間があったか否か?言い訳をするなら暇人とかとは少し違う。

アルタミラやラスコー以前でさえ、生きるために必須ではない模様が彫られた動物の骨の化石が見つかっているという。なぜその様なことをネアンデルタール人はしたのか?それはなぜ私が写真を撮るのか?に共通する問いかもしれない。さらば言葉を持てなかったネアンデルタール人に代わって答えよう。「美しいから!」「楽しいから!」もっと言えば「なにかがそうさせるから!」
答が予測できルーチンさえ求めれば、人の手さえ凌駕するだろうデジタルも、無から有を作ること、不確定を予測することは出来ないだろう・・・と私は考える。だからこんな事が楽しいのだろう。

エマルジョントランスファー。アトリエにお越しのお客様にも楽しんでもらえるよう準備をしていきたいと考えている。もっと、写真の世界の楽しさを伝えてゆきたい。

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