フォトショップを駆使して電線消去
柿の木坂写真工房では、新築(建て替え含む)の記念撮影や記録撮影も行っています。
その際、純粋に記録だけの場合は、余程でなければ問題とならない電線が、写真にすると結構目立つのです。20年ほど前なら、これらを如何に消去するかは相当に悩ましい課題でした。そして今、テクノロジーの進化には驚くほかありませんが、AIのお陰で我々の労力は1/100くらいになっています。
しかも、そのルーティンを習得するのに掛かる時間も1/10位になっているでしょう。
論より証拠(before and after)
こと、東京の建て替え物件の場合、電柱が埋設されているケースはほぼ皆無に近いのが実情ですので、撮影画像に電線はあるものと覚え、可能なら避けて撮影を等という夢想は抱かず撮影します。
電線消去・修正前
電線消去・修正後
実際、これでもまだ修正のほんの序章ですが、WEB用前提であれば使用可能レベルに近いです。何処まで綺麗さっぱりさせるかは、用途やご予算に応じての対応となります。
とは言え、ここまでに掛かった時間は正味5分。くどいようですが、20年前なら一日仕事でも怪しい苦行作業です。
電線消去の方法
実際どのような作業ルーティンを踏むのか、以下ざっくりとご紹介します。
手順
- Photoshopで、対象の写真を読み込む
- 無地のレイヤーを追加する
- ツールボックスより「削除ツール」を選択
- 必要なパラメーター項目にチェックを入れる
- 電線をなぞる
- 実行(〇をクリック)
- 完成
一つずつ見てゆきます。
1. 対象の写真を読み込む
これから電線の消去をする写真を開くわけです。つまりbeforeの写真と言うことになります。
2. 無地のレイヤーを追加する
読みこんだ写真の上層に、無地のレイヤーを追加します。
レイヤーパネル下部の+のボタンをクリックで追加されます。
3. ツールボックスより「削除ツール」を選択
4. 必要なパラメーターをチェック
上部ツールバーに表示されるオプションから、必要な項目にチェックを入れます。モードは原則として「自動」で大丈夫です。勝手にAIを利用するか否か、相当な確度で判定してくれます。
5. 電線をなぞる
電線の太さや背景の複雑さにより、なぞるブラシのサイズを調整しながら、電線をなぞります。上手くいかない時には一度戻って、太さを変えて試しましょう。
6. 実行ボタンをクリック
7. 取り敢えず完成
実行後、綺麗に電線が消去されれば成功です。今回の画像はかなり多くの太さも様々な電線がありましたが、冒頭でも触れたとおり、正味5分で概ねOKなレベルまで、電線の消去が出来ました。
AIと手作業
殆ど、無意識にアルゴリズムで動く人の行動パターンや認識を採り入れてゆくAIですが、画家の描く絵のタッチが1人1人異なるように、写真の仕上げもやはり受け手の好みやフィット感箱となるものです。作業を行う私たちもそれは同じで、だから全てをAI任せに出来るかと言えば、それはまだ少しかかるかなと言うのが私たちの率直な見方です。
ごく近い将来、90%以上の人が実物と区別出来ないAIによるレタッチが当たり前になるでしょう。それでも残り10%の頑迷なニッチを頷かせるにはまだしばらく掛かるというのもまた、私たちの希望であり、やり甲斐でもあります。
人の手になるものの素晴らしさは、一つの抽象の具現化であって、それが人を人たらしめたものであることを忘れては、本末転倒になってしまうので、如何に上手に付き合ってゆくかも常に意識しながら、AIを良きパートナーとして認めたいと思います。
新築、建て替えの記念撮影、喜んで承ります。
柿の木坂写真工房は人物撮影が専門ですが、専門外の分野でも出来る事、出来ない事を常に考慮しながら、少し時間が掛かるけど出来るお仕事に関しては、基本的にお引き請けしています。
新築・建て替えの記念・記録の撮影は、この5年で100件以上の実績を積ませていただき、様々なノウハウを得ながら、精進に努めてきました。
是非お任せ頂ければ幸いです。