サラエボか、イラクか、近くに砂漠のある街で僕はカメラを持ち歩いていた。
パァーンという音とともに頭の中が錯綜する。
一瞬の隙と戸惑いが自分の運命を左右するのだと。気がつくと地面に膝をつきどこからともなく流れ出す生暖かい赤い血にはっとさせられる。
『そうか..俺は撃たれたのかと。』
ふと気づくと一緒に行動していた友でさえ振り向くとそこにはいない。
『まだ息はある・・・かろうじて・・。』
匍匐前進でそれでも前へと進むしかない。
ここもまた戦場なのだ。
目が覚めると東京だった。
だが感覚はまだ戦場にある。
いや、ここもまた戦場なのだ。