10月9日は実は私たち夫婦の結婚記念日でもありました。12年前のお話しです。
結婚式のあり方の当時と今とを比べると、驚くべき変化です。私たちの頃は仲人を立てるのが当たり前で、それを誰に頼むのかと言うことが結構な重大事だったような気がします。今は仲人のある式というものが、私が撮影している中でも年に一組あるかどうか?と言う具合です。
家内が先日こんなことを言いました。「まさか、あなたが自分で仕事を始めるとは思っても見なかった。」私自身は自営業の親に生まれ、収入や身分の安定したサラリーマンであることが、とても普通に見えて出来れば将来はサラリーマンになろうと考えてきました。そして実際サラリーマンとして社会人の仲間入りをしたわけです。でも仕事をしていく内にすこしずつ、サラリーマンの家に生まれ育った仲間達との考え方の違いに思い悩むことが多くなりました。私の中には「常に良い方向へすすむ。」「今できることは惜しまない。」というような、倫理的絶対正義漢が君臨していました。もちろん自分自身がそれを意識していたのではありません。子供の頃から自営業の親を見て育った結果です。父親は仕事に関する限り無駄をしない人でした。特に時間に関してはそうでした。常に効率的に物事を考え、一番ロスのない段取りをくむ達人でした。私の中ではそれが自然でありごく普通のことだったのです。しかし、その普通から見る私のいた会社のサラリーマンの仕事ぶりは絶望的でした。バブル真っ盛りでアクセクするまでもなく仕事がたっぷりと供給されていたセイもあるでしょう。でも私は、みんなと足並みをそろえてまで不本意はしたくない。と早々に自分の道をイメージとレースしていました。それが写真の仕事でありブライダルこそが天職だと思っています。家内はサラリーマンの家に生まれ育ち、おっとりとした性格です。私がそこそこ大きな会社を辞めたのは結婚してすぐのことでした。でも、変化を柔軟に受け入れる寛容さを持っていたようです。結婚から12年。あっと言う間でしたが、楽しい日々でした。私たちの人生はずっとこんなにして過ぎてゆきたいと思いました。
結婚記念日
2006.10.11