
柿の木坂写真工房では、撮影内容やその日の空気感に合わせながら、カメラやレンズを選んでいます。
ライカを手にする機会は決して多くはありませんが、ときおり、その独特の描写に強く惹かれる瞬間があります。

例えば、ブレストフィーディングフォト。
静かな音楽が流れるスタジオの中で、ライカの控えめなシャッター音だけがそっと響く時間は、どこか特別な空気をまとっています。
今回、ブログ2枚目の写真で使用したのは、ドイツ製の LEICA SUMMICRON 35mm f/2(8-element)。
長く“伝説のレンズ”と語られてきた一本です。
開放付近で撮影した際の、やわらかく広がるボケ味。
その一方で、ピントの合った部分には驚くほど繊細なシャープさがあり、被写体の存在感を静かに浮かび上がらせてくれます。
もちろん、写真の価値は機材だけで決まるものではありません。
それでも、ときにこうした道具が、その瞬間の空気や感情を、より豊かに写し出してくれることがあります。
親子のぬくもりや、言葉にならない距離感まで、そっと写し残してくれる。
そんな魅力を持ったレンズだと感じています。


