
7月3日。
柿の木坂写真工房は、この小さなスタジオを開いて三年という節目を迎えました。
振り返れば、決して平坦な道のりではありませんでした。
それでも今日まで、大好きな写真という仕事を続けてこられたことを、何より幸せに思っています。
そして、そのすべては支えてくださった皆さまのおかげです。
改めて、心より感謝申し上げます。
柿の木坂写真工房は、決して便利な場所にある写真館ではありません。
東急東横線・都立大学駅から少し歩き、大通りから一本入った住宅街。
路面店でもなく、初めてお越しになる方からは「本当にここで合っていますか?」と尋ねられることもあるほど、静かな場所にあります。
けれど、一歩スタジオへ足を踏み入れると、漆喰の壁とナラ材の床がつくり出すやさしい空気に包まれます。
窓の外には緑が揺れ、街の喧騒を忘れてしまうような静かな時間が流れています。
私たちは、この空気も含めて「写真を撮る場所」だと考えています。
とはいえ、地域に根ざした写真工房として歩み始めた頃は、本当に手探りの毎日でした。
この町に知り合いはいない。
宣伝に掛けられる予算もない。
あるのは、「良い写真を撮りたい」という想いだけでした。
それでも、結婚式の撮影でご縁をいただいたお客様が、ご家族を連れてまた訪れてくださる。
地域の皆さまが少しずつ工房を知ってくださる。
そして、スタッフが同じ想いで支えてくれる。
そんな小さな積み重ねが、今日の柿の木坂写真工房を育ててくれました。
開業した頃、この町は私にとって「縁もゆかりもない場所」でした。
けれど今では、毎日少しずつ、この町を好きになっています。
写真を通して人と出会い、そのご縁がまた新しいご縁をつないでくれる。
そんな日々を積み重ねながら、この場所で写真を撮り続けられることを、これからも幸せに思い続けたいと思います。


