
少し前の話になりますが、私が撮影したお子様の写真が、雷鳥社から出版された「写真のプロになる」という書籍に掲載されました。
掲載されたのはわずか3ページほどですが、自分の写真が本という形で紹介されるのはやはり嬉しいものです。
掲載されたのは、お子様の自然な表情を捉えた一枚。
写真だけを見ると何気ない瞬間に見えるかもしれませんが、実はこの撮影にはかなりの時間をかけています。
スタジオを2時間お借りし、撮影そのものよりもまず大切にしたのは、お子様とのコミュニケーションでした。
慣れない場所、慣れない大人、慣れないカメラ。
そんな状況でいきなり自然な笑顔を見せてくれるお子様は多くありません。
撮影を始める前に一緒に遊び、話をし、少しずつ距離を縮めながら、その場の空気に慣れてもらうことに時間を使いました。
気がつけば1時間半以上が経過。
実際に写真として残せたのは最後の15分ほどでした。
しかし、その15分があったからこそ撮れた表情だったと思います。
子供の写真は、カメラやライティングの技術だけで撮れるものではありません。
撮る人と撮られる人との信頼関係。
そして、そのために必要な時間。
そうした積み重ねがあって初めて、その子らしい自然な表情が生まれるのだと改めて感じた撮影でした。
今振り返っても、とても印象に残っている一枚です。


