


株式会社イースターエッグでは、ウェディングフォト事業を「イースターエッグ」、目黒区柿の木坂のスタジオ事業を「柿の木坂写真工房」として運営しています。
中でもウェディングフォトは、利益率こそ決して高くありませんが、売上単価が大きく、半年先までの受注見込みを立てやすい事業です。独立以来、その安定した受注が経営を支えてくれました。
ところが、新型コロナウイルスはその前提を根底から覆しました。
常に数か月先まで予約が入っている状態だったウェディング撮影が、次々とキャンセル、あるいは延期となったのです。翌日からの売上すら見通せない状況は、創業以来初めての経験です。
この未曾有の危機をどう乗り越えるのか。まだまだ有効な打開策も見えず、国や東京都の補助金、助成金を活用しながら、とにかく事業を継続する方法を模索する毎日が続いています。
そんな中で急務となったのが、柿の木坂写真工房の新たな撮影分野を開拓することです。考えうる施策はすべて試し、少しでも売上の柱を増やさなければなりません。
そんな時、思いがけないご依頼をいただきます。
新築住宅やリノベーション住宅の竣工記念写真、そして建築記録写真の撮影です。
ご依頼主は、かつてウェディング撮影を担当させていただいたお客様でした。撮影からすでに15年近くが経過しています。それでも折に触れてご連絡をいただき、ご縁をつないでくださっていました。
その長いお付き合いが、新たな仕事への扉を開いてくれたのです。
もちろん、建築撮影は当時の私たちにとって専門分野ではありません。しかし、お金をいただいて撮影する以上、「専門外だから」は通用しません。学び、実践し、できる限り早く技術を身につける他ありません。
そこで必要になったのが超広角レンズです。
ウェディング撮影でも10年ほど前には超広角レンズが流行しました。しかし流行は移り変わります。極端なパースペクティブを強調した写真は次第に求められなくなり、使用頻度の下がった機材は売却していました。超広角レンズもその一つです。
ところが建築撮影では話が別です。
空間を正確に、そして広く表現するためには欠かせない機材でした。
そこで導入したのがFUJIFILM XF8-16mm F2.8 R LM WRです。35mm判換算で約12mmから24mmに相当する超広角ズームで、さらにF2.8通しの明るさを備えています。自然光のみで撮影する場面も多い建築撮影では、大きな助けとなりました。
大きな前玉を持つため取り扱いには神経を使いますし、現在のウェディング撮影では必須のレンズではありません。しかし、今はなくてはならない一本。
こうした想定外のご縁に支えられ、毎月の売上にも少しずつ見通しが立つようになりました。
依然として先行きは不透明ですが、何も見えない状態と、希望を持って前に進める状態とでは大きな違いがあります。
声を掛けてくださったお客様には感謝の気持ちしかありません。そのご期待に応えるためにも、一件一件の撮影に真摯に向き合ってゆきます。
まだ正式な主力メニューとして大きく掲げる段階ではありませんが、経験と実績をさらに積み重ねた先には、建築竣工撮影も柿の木坂写真工房の大切な事業の一つとして育てていきたいと考えています。
これからも変わらぬご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。



