AIマスク

最近のPhotoshopは、本当に驚くほど進化しています。

なかでも感心するのが、AIを活用したマスク機能です。

以前は、人物を背景から切り抜く作業一つとっても、髪の毛の一本一本やレースの縁、半透明の素材などは、拡大表示を繰り返しながら、何時間もかけて手作業で選択範囲を作成していました。内容によっては、一日仕事になることも珍しくありませんでした。

ところが現在のPhotoshopでは、「被写体を選択」を実行するだけで、髪の毛の細かな部分まで驚くほど自然に認識してくれます。さらに、人物や空、背景といった要素ごとにAIが自動でマスクを作成し、それぞれを個別に補正することも容易になりました。

最近では生成AIによる機能も加わり、選択範囲を自然に拡張したり、不要なものを違和感なく消去したりと、以前なら高度なレタッチ技術が必要だった作業も、ごく短時間で行えるようになっています。

もちろん、最終的な仕上がりを確認し、微調整を行うのは今でも人の目と経験です。しかし、「手間のかかる単純作業」は、確実にAIへと置き換わり始めています。

こうした変化を目の当たりにすると、近い将来、画像処理の多くは人が細かく操作する時代ではなくなるのかもしれません。

一方で、パソコンの性能も飛躍的に向上しました。私が使用しているM1 Maxチップ搭載のMacBook Proは、ひと昔前では考えられないほど高速で、レタッチの待ち時間を感じることはほとんどありません。

本来であれば、AIもCPUもこれだけ進歩したのですから、私たちにはもっと時間の余裕が生まれていても不思議ではないはずです。

ところが現実は、その逆のようにも感じます。

作業時間が短縮されるたびに、その分だけ仕事の質や量への期待が高まり、気がつけば以前と同じ、あるいはそれ以上に忙しくなっている。

技術は確かに人を助けてくれます。しかし、その技術によって生まれた余白をどう使うのか。それは、結局のところ私たち自身に委ねられているのかもしれません。

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