
工房の近くを歩いていると、電柱に貼られた「とりつ大学」の案内を目にすることがありました。
「とりつじん」――。
最初は、その名前の意味もよく分かりませんでした。
最寄り駅は東急東横線・都立大学駅ですが、「とりつじん」とは何なのだろう。
気になって問い合わせてみると、それは地域の商店主たちが集まり、それぞれの専門知識や技術を地域の皆さまへ伝える活動を行っているグループだと教えていただきました。
お店の店主が講師となる「とりつ大学」。
地域の魅力を紹介する冊子「Toritsuzine」。
そして、商店同士が力を合わせて、この街をもっと楽しく、もっと魅力的にしていこうという取り組み。
「なんて素敵な活動なんだろう。」
そう思いました。
柿の木坂写真工房をこの地に構えて六年弱。
少しずつお客様とのご縁は増え、地域の皆さまにも知っていただけるようになってきた実感はありました。
それでも、「もっとこの町の一員になりたい」という想いは、ずっと心の中にありました。
そこで思い切って、「私たちも仲間に加えていただけませんか」と相談してみることに。
この日、お話を聞かせてくださったのは、「シーズン花達」の栗場さん。
とりつじんの立ち上げから活動されているメンバーのお一人です。
お話を伺う中で分かったのは、とりつじんに参加するためには、まず地域の商店会に所属していることが条件だということでした。
そうか。
まずは、この町の商店会の一員になることから始まるのか。
それまで商店会という存在をほとんど知らなかった私にとって、それは小さくも大きな発見でした。
もちろん、会に入れば時間も必要になりますし、役割もあるでしょう。
けれど、この町で仕事を続けていくのなら、地域のことをもっと知り、人とのつながりを育てていくことは、とても大切なことなのではないか。
そんな気持ちが、少しずつ芽生えてきました。
後日、柿の木坂商和会の会長さん、副会長さんから直接お話を伺う機会もいただけることになりました。
地域との新しいご縁が始まる予感。
この日が、その第一歩になったような気がしています。
栗場さん、本当にありがとうございました。


