形としての写真
先日撮影させていただいたお客様から、写真のプリントとアンティークフォトフレームによる額装をご依頼いただきました。
写真は、データのままでも、アルバムや台紙に仕立てても楽しむことができます。
けれど、一枚の写真を額に入れて壁に飾ってみると、少し違った存在感が生まれます。
写真が「保存するもの」から、「暮らしの中で眺めるもの」へと変わる。
今回は、そんな額装の一例として、プリントからブックマット、そして額に収めるまでの工程をご紹介します。

柿の木坂写真工房では、カラーマネージメントシステムに則った美しいプリントをご提供することを大切にしています。
そして、写真をプリントして終わりではありません。
額装、アルバム、台紙なども、それぞれの用途に合わせて素材や仕上げを吟味し、一枚の写真が最も美しく、そして長く楽しめる形になるよう仕立てています。
柿の木坂写真工房の額装
選ぶ楽しさと、選びやすさ
額装には、本当にたくさんの選択肢があります。
額の素材や色、幅、サイズ、マットの有無やその色、写真の大きさなどを組み合わせていけば、その組み合わせはほとんど無限です。
木製のフレームだけを見ても、素朴なものから重厚なものまでさまざま。金属製や樹脂製、さらには特注による個性的なフレームまであります。
もちろん、こだわればこだわるほど、写真に合わせて自由に選ぶことができます。
ただ、選択肢が多すぎると、かえって「どれを選べばよいのか分からない」ということにもなります。
そこで柿の木坂写真工房では、私たち自身が写真との相性を考え、実際にお勧めできるものを選んでご用意しています。
今回のようなアンティーク調のフレームも、その一つです。
まずは、一枚の写真を丁寧にプリント

額装の仕上がりを左右するのは、もちろんフレームだけではありません。
その中心にあるのは、やはり写真そのものです。
プリントはRAWデータから一枚ずつ丁寧に仕上げます。
プリント後は適正な状態に仕上がっていることを確認したうえで、一日以上かけて十分に乾燥させます。
その後、改めて色を確認し、最終的な品質を確認したものには、シールプレスでエンボスを施します。

写真を額に入れるということは、写真を常に人の目に触れる場所へ置くということでもあります。
アルバムや台紙とは違い、額装された写真は長い時間、光や空気にさらされることになります。
場合によっては、窓から差し込む光を受け続けることもあるでしょう。
そこで、柿の木坂写真工房では額装するプリントにバニッシュスプレーによる表面保護を施しています。
写真の表面を保護し、紫外線による影響を抑えることで、額に入れた後もできるだけ美しい状態を保てるようにしています。
写真を守る、ブックマット
写真は、直接フレームに押し込むようにして額装するわけではありません。
写真をブックマットと呼ばれるフォトマットに収め、その状態で額に入れます。


使用するマットには、絵画などにも使われる中性紙を採用しています。
写真とマットが直接触れる部分にも配慮することで、写真への負担をできるだけ抑えています。
また、写真の固定には三角コーナーを使用します。




写真の位置を慎重に決め、一枚ずつ丁寧に固定していきます。
ここで大切なのは、写真をマットに接着していないことです。
三角コーナーとマット、写真はそれぞれ独立しているため、必要になれば写真を取り外すこともできます。
写真を美しく見せながら、将来の入れ替えや保存にも配慮しています。
最後に、額へ
そして、いよいよ額装です。
ブックマットを本を閉じるように折り、窓から写真が美しく見えることを確認しながら、額の中へ丁寧に収めます。



こうして完成です。
木目の美しい、落ち着いた色調のフレーム。
和室にも洋室にも合わせやすく、主張しすぎないのに、写真を入れるとその存在感がぐっと増します。
フレームとマットの余白を大きく取ることで、より写真の上品さを引き立てるようにしています。
アナログの味わい、形としての写真
写真は、データとして保存しておくこともできます。
アルバムにして、ページをめくりながら楽しむこともできます。
そして、額に入れれば、毎日の暮らしの中でふと目に留まる一枚になります。
大切な写真を、いつでも眺められる「形」にする。
それも、写真を残す方法の一つではないでしょうか。
柿の木坂写真工房では、プリントから額装まで、一枚の写真を丁寧に仕立てています。
お気に入りの写真がありましたら、ぜひ額装という形でもお楽しみください。





