
最近はデジタルの話題が続いていますが、やはり手焼き写真には特別な魅力があります。
手焼きプリントは、一枚の写真が完成するまでに実に多くの工程を経ます。撮影にはもちろんフィルムカメラを使用します――今となっては少し不思議な響きにも聞こえますね。
今日はその工程の細かな話ではなく、最終的な「プリント」そのものについて少し書いてみたいと思います。
そもそも、手焼きプリントとは何なのでしょうか。
ネガフィルムをご覧になると、明るさが反転しているのはすぐに分かると思います。明るい部分は暗く、暗い部分は明るく写っています。
けれど実際には、それだけではありません。色もまた反転しています。例えば赤い被写体を撮影すると、ネガ上では青緑方向の色として記録されています。
つまりプリント作業とは、簡単に言えば、
「ネガを、もう一度印画紙へ撮影する」
という作業なのです。
一度反転した像を、もう一度光によって反転させ、元の世界へ戻していく。これが手焼きプリントの本質です。
しかし、この工程は決して単純ではありません。
そもそもネガの段階で、肉眼で見た色彩はすでにある程度変化しています。その情報をさらに印画紙へ焼き付けるとなると、ほんの少しの差が、最終的な色や空気感に大きく影響してしまいます。
だからこそ、私たちイースターエッグでは、撮影時だけでなく、プリント工程においてもレンズへ強いこだわりを持っています。
今日は技術的な細かな話はさておきましょう。
手焼きプリントでは、ネガに含まれる色の情報をどれだけ損なわず印画紙へ届けられるか。それが、仕上がりを大きく左右します。
そこで非常に重要になるのが「引き伸ばしレンズ」です。
イースターエッグでは創業以来、シュナイダー製「Componon-S 80mm」を使用しています。
ドイツ製の素晴らしいレンズで、特に色の分離感――いわゆる“キレ”が本当に美しい。どこか撮影用ツァイスレンズにも通じる印象があります。
光学レンズは、その構造上どうしても波長による色のにじみを避けられません。しかしComponon-Sは、その滲みを非常に巧みに抑えてくれるのです。
長年、とても信頼している相棒です。
……そして今日。
さらに新しいレンズを導入しました。
その名も「アポ・コンポノン」。
名前はどこか愛嬌がありますが、なかなかの実力派のようです。
“アポ”とはアポクロマートの略称で、通常以上に色収差を抑える特殊設計を意味します。つまり、光の分離性能をさらに高めたレンズというわけです。
このレンズで焼き上げる手焼きプリントが、どんな表情を見せてくれるのか。今からとても楽しみにしています。
妥協のないイースターエッグの手焼きプリント。
これからもぜひご期待ください。
もちろん、技術の研鑽も日々続けています。


