Venezia

ヴェネツィアに来ています。

前回この街を訪れたのは、この春。それから約半年ぶりの再訪です。

今回の目的は観光ではありません。春に偶然見つけた、手作りアルバム工房との商談です。

工房を営むのは、ヴェネツィアを代表する観光名所、リアルト橋の上にある小さなステーショナリーショップのオーナー。上質な本革の表紙に、イタリアを代表するファブリアーノ紙を組み合わせた、美しいハンドメイドアルバムを製作されています。

春にその工房を見つけた時は、別の仕事の予定があり、ゆっくり話をする時間がありませんでした。

「次にヴェネツィアへ来る時は、必ず交渉しよう。」

そう心に決め、この日を迎えたのです。

改めて歩くヴェネツィアは、やはり幻想的な街でした。

初めて訪れた時は何もかもが新鮮でしたが、よく考えれば、この街並みの多くは中世から大きく姿を変えていません。

干潟を埋め立てて築かれた街には、大小さまざまな運河が張り巡らされ、自動車が走る道路はありません。人が歩くための道も決して広くはなく、一番広い場所でも3〜4メートルほど。細い路地になると、人がすれ違うのもやっとという幅しかない場所も数多くあります。

限られた土地を最大限に活用してきた歴史の中で、小さな橋やトンネルが無数に造られ、路地は迷路のようにつながっています。

方向感覚には少々自信がある私ですが、この街だけは別でした。気が付けば、あっという間に自分がどこを歩いているのか分からなくなってしまいます。それもまた、ヴェネツィアならではの魅力なのでしょう。

ローマ・テルミニ駅から列車で約5時間。

滞在時間は8時間にも満たない短いものでしたが、本当なら一週間くらいゆっくり過ごしてみたいと思わせてくれる街でした。

そして、一番の目的だった商談も無事にまとまりました。

来年からは、ヴェネツィアで一冊一冊手作りされる本革アルバムを、柿の木坂写真工房の新しいラインナップとして皆様にお届けできそうです。

写真だけでなく、その写真を収めるアルバムにも物語がある。

そんな特別な一冊をご紹介できる日を、どうぞ楽しみにお待ちください。

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